不妊治療でおこなうこと、費用、人工授精へのステップアップ




今や珍しいものではない不妊治療

私自身、なかなか赤ちゃんができないという事態に陥るなんて想像もしていませんでした。

しかし1年ほど自然に妊娠を試みましたが妊娠できず、不妊治療を始めました。

私の周りで不妊治療を行わずに妊娠できた友達のほうが少ないくらい、今や主流になっている不妊治療。

私も周りの話を聞いて、不妊治療は恥ずかしいことではないと感じました。

なかなかできなくてもみんな頑張っているんだ、と思い、前向きに治療を続けることができました。

こちらで私がおこなった不妊治療の経験を記していきたいと思います。

不妊治療:初診

まず、医師と不妊の経緯について話をします。

不妊は女性が原因の不妊、男性が原因の不妊があることを説明されました。

女性の不妊の原因の一つに、ホルモン値の異常があります。

採血ですぐにわかりますので、まずはホルモン検査をおこないました。

LH(黄体形成ホルモン):卵巣で卵胞成熟と排卵を促す。排卵後の黄体を刺激する。

月経周期3~7日で採血をおこなう。

LHが高いと排卵障害の可能性あり。

FSH(卵胞刺激ホルモン):卵巣での卵胞の発育を促す。

月経周期の3~7日で採血をおこなう。

FSHが高いと卵巣機能が低下していると考えられる。

PRL(プロラクチン): 乳腺発達と乳汁分泌に関与。非妊時にも分泌されているがその意義は解明されていない。

採血時期は問わない。

PRLが高いと排卵障害や流産の原因となる、とされている。

プロゲステロン:受精卵の着床に備える、妊娠の維持に必要とされる。

採血時期は、基礎体温の高温期におこなう。(私は初回ではなく、別の日におこないました)

低いと黄体機能不全とされ、不妊につながる。

 

このほかに、膣から内診する、クラミジア検査、子宮頸がん検査をおこないました。

不妊外来の初診は約5000円ほどでした。

不妊治療2回目の受診で卵管造影をおこなう

卵管に異常がないか、つまっていないか、しっかり通っているか、子宮の奇形はないか、を卵管造影で検査します。

Anna
検査の時期は、月経終了後~排卵までの期間におこないます。

卵管造影は、ヨードアレルギー(イソジンなど)、甲状腺の疾患を患っている、妊娠している可能性がある、などの人は検査が受けられません。

まず、卵管造影は造影剤を使用するので、承諾書を書きます。食事は検査の3時間前から禁食です。これは造影剤の副作用で嘔吐をしたりすると誤嚥(食べ物が気管の方に入ってしまう)を防ぐためです。

ブラジャーなど金属類を外し、病院の術衣に着替えます。

終了後に出血をすることがあるので、ナプキンも持参します。

造影をおこなう台の上に横になって寝て、股を開きます。

医師が造影剤を入れるための管を子宮口から入れるのですが、これが痛い、という人もいます。私はそこまで痛みを感じませんでした。

その後、造影剤を流しながらレントゲンで通過をみていくのですが、この造影剤が私には合わなかったのか、「もわーん」とした感覚になり、少し気持ち悪くなりました。隣で看護師さんが手を握ってくれていましたが、その手がとても安心しました。同じ看護師として、こういう看護師さんは安心できるな、と考えていました。そのうちに検査が終わり、着替えた後に、診察室で結果を聞きます。

私は卵巣嚢腫の手術を左右の卵巣ともおこなっており、右の卵巣はみえない、と言われてしまいました。左の卵管は通っているし、卵巣も残っているから、妊娠はできるよ、と医師より伝えられましたが、卵巣が一つしか機能していないなんてなんだかそれが不妊の原因なのでは?と考えていましたが、不妊治療の専門医師からは、卵巣が一つでも二つでも、不妊に関係するとは言われていない、と説明されました。

病院にもよると思いますが、私の場合、卵管造影の費用は約7000円でした。

Anna
卵管造影検査をおこなった友達に聞いても、かなりつらかった、という人が多数です。しかし、この検査で卵管や子宮に異常があればそれを直す治療を進めることができるため、まずは卵管造影をおこなうことが大事だと思います。

また、卵管造影をおこなって4か月ほどは、卵管が通りやすくなっているため、妊娠しやすいとされています。私は4か月間を期待していましたが、妊娠はしませんでした。

夫の精液検査は朝早くからおこなう

男性に原因があることも考えられるので、早い段階で精液検査をおこないます。

病院によってですが、採取した精液を朝一番で持参するように言われることが多いと思います。

これはエンブリさん(エンブリオロジスト:精液の検査をしたり、顕微授精や人工授精などで関わる医療技術者です。)が日中、忙しくなる前に検査を行うためだと考えられます。

精子はすぐに死んでしまうことはないので、自宅で精液を採取しました。

精液を取るにあたって、男性は2~3日禁欲を指示されます。朝早くから夫を起こして、病院でもらったカップに精液を出してもらいます。恥ずかしいかもしれませんが、これも赤ちゃんを授かるための治療のひとつです。

精液は寒さに弱いため、冬でしたのでハンドタオルでカップをくるんでダウンのポケットに入れて病院にもっていきました。この時、ホッカイロなどで温めてしまうと反対によくないので、注意しましょう。

精液検査の結果の見方としては、PMSCというのが前進運動で、5μ(マイクロ)以上が良い。

SMIというのが精子自動性指数で、80以上がよいとされています。

精液検査は自費になりますので、約3500円ほどでした。夫の検査結果は正常時でした。

タイミング法からはじめる。排卵誘発剤:クロミッドについて

Anna
私にも夫にも不妊となる原因は見当たりませんでした。そのため、医師からはまずタイミング法から始めましょうと説明をされました。

クロミッドは本来、排卵していない人に使用するもののようですが、普段排卵している人にも使用できます。

生理開始の5日目に服用を開始します。飲む時間を決め、1日1錠(医師の指示によって1~3錠服用できるようです)、5日間、内服します。

クロミッドの料金は、受診と処方のみで、約600円でした。

すると、不順だった私の生理周期が28日になりました。

基礎体温をつけていたので、体温が上昇する前々日くらいで受診し、経腟エコーで卵胞の大きさを診てみらいました。

18mm~22mmくらいになっているとそろそろ排卵の時期です。

排卵を起こさせる:ブセレキュア点鼻液

ブセレキュア点鼻薬を処方されました。

こちらは自費で、病院にもよると思いますが、8000円程度でした。1回に使用するのは2噴霧のみなので、すぐにはなくなりません。一度購入すればなくなるまで使用できるので、開封後に冷蔵庫に入れて保管しておきましょう。

ブセレキュア点鼻薬は、LHサージを起こし、排卵させる効果があります。

医師の指示した日にち・時間に点鼻します。1回目の点鼻の後、その1時間後に点鼻をします。

私は夜の10時と11時に点鼻するよう指示されました。

その周囲の日にちに性行為をおこなうよう指示されました。

クロミッドで卵胞を育て、ブセレキュアで排卵させるというのが治療の方法でした。

ブセレキュア点鼻薬は、子宮内膜症や子宮筋腫などの治療にも使用するものでもあると薬の説明には書いてありますので、いろいろな効果があるようです。

タイミング法から人工授精へのステップアップ

私はタイミング法を7か月おこないました。しかし妊娠することができませんでした。

35歳を超えている私は、医師から「早めに人工授精にステップアップしてもいいと思いますよ」と助言を受けました。卵子は毎月1個ずつ減っていくのだから、1か月でも早く妊娠したほうがよい、と医師から告げられ、ステップアップをすることに決めました。

人工授精は、精液検査を行う要領と同じで、朝一番で夫に精液を採取してもらい、病院へ持参します。

病院ですぐにエンブリオロジストさんによって分離がおこなわれます。ここで元気のよい精子が選別されて注射器の中におさまります。

女性は卵胞の大きさを経腟エコーで確認された後、精液を注入されるのですが、私は痛みを全く感じなかったです。

人工授精の費用は、すべて合わせて14000円ほどでした。

10分ほどそのままの体制で横になって休み、そのまま帰宅しました。

当日は仕事も1日休みでしたので、ふらふらと買い物をして帰りました。

人工授精をおこなった7日後に、尿検査(HCG)をおこなうと、まさかの1回で妊娠していました。

その7日後、心拍はまだ確認できませんでしたが、胎嚢と胎児は確認できました。体温は高温期のままです。

人工受精後の流産

人工授精から1か月後、朝起きると赤い血がティッシュに付着しました。大量出血ではありませんでしたが、心配になり、その日の午前に不妊外来を受診しました。

医師からは心拍が確認できない、と告げられ、とても落ち込みました。

しかし、この頃の流産は胎児の染色体異常などが原因でおこるものだと説明され、諦めせざるを得ませんでした。

医師から1週間後に受診するよう説明され、1週間後に受診しましたが、まだ胎嚢は残ったままでした。医師より「自然に流れると思うので様子を見てください。もし自然に流れない場合は掻き出さなければなりません」と言われ、掻把(そうは)をおこなうと傷ついてその後妊娠まで少し間をあけなければならない、と知っていたので、次の妊娠のことを考えると自然に流れてほしいなぁと考えていました。

出血がみられてから9日目に生理のような出血がありました。

出血がみられてから16日目に受診すると、自然に流れていました。子宮も平坦になっていました。

診断名は稽留流産(けいりゅうりゅうざん)でした。

流産後の妊娠

流産後、40日目に生理がきました。医師から2.3か月したらまたクロミッドを飲みましょう、と言われていましたので、今性行為をしてもまだ妊娠できないなぁと考えていました。そのころは、排卵日など深く考えずに夫と仲良くしていました。

流産から2回目の生理がなかなかこないので、不妊外来に受診をすると、大量に出血があった日から72日後、妊娠していることがわかりました。

人工授精後に妊娠したおかげで卵管が開通し、妊娠しやすくなったのか、自然に妊娠することができました。

まとめ

タイミング法から人工授精へのステップアップはなかなか勇気がいると思います。

しかし、人工授精を実際おこなってみて、時間やお金のことを考えても早めにおこなってみてよかったと思っています。

医師と相談をして、いいタイミングで、その時必要な治療を選択していくとよいと思います。

 









ABOUTこの記事をかいた人

Anna

現役看護師Annaです。仕事をしながら、時には辞めて数ヶ月から1年休んで旅に出て、10年かけて世界一周しました。現在は子育てに励んでいます。旅と子育てについてのブログを随時更新していきたいと思います。